はやくも上司に、「君はよく、あらぬ方向を見てるよね」と指摘された。

なんとかここは取り繕って、言い逃れをしたほうがいいような気もしたが、
週5日ウソをつきとおす根性もなく
「…ええ、ちょっと…」
と自認することにした。

実はこの癖のせいで
友達に「不安になるからやめて」と頼まれることや
たまにしばらくシッカリしていると「今日はがんばってるじゃん」とほめられることや
親もすでに見放して「アンタのその癖は、見事よね」と言っていることや
就職の面接中に放心したことなどを
小出しに披露した。

そのネタが話し終わる頃、上司はツッコミ過ぎたと思ったのか、付け加えるように
「イヤ、やめろって言ってるわけじゃないんですよ。いいんですよ。いいんですよ。
どうぞ。

といって、片手で示して

周りの景色を私に勧めた。



…どうぞって。


こんなとき、私は部下としてどう振舞えばいいのだろう。


新人らしく、お言葉に甘えて適した角度の光景を眺めるべきなのだろうか。

それとも「イエ、仕事中ですから」と丁重に辞退申し上げるのが筋というものなのだろうか。

わからない。

人に気を使わないで生きるのも、案外、気疲れするものだ。

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