<息遣いが聞こえる漢字> -その②-


《音読:ゴ 訓読:たがい 画数:4》

人という字は厄介です。
「一人では生きられない」と読み解く人あり、
「2画目が1画目に寄りかかって楽をしている」と見て
人間不平等論の根拠とする人あり、
それを踏まえて「だからありがとうと言いましょう」と述べる者あり、
統一見解がありません。

そこが「互」は違います。
卍(まんじ)を思わせるこの文字、二者は出発点からしてそもそも異なります。
一方は上から、他方は下から。
この二人、同じ場所を目指す気なんか毛頭ないのです。

二人は確かに人生のどこかで触れ合います。
それでも決して噛み合いません。
人間同士ってこんなものよね。

たった4画で、こんなにもクール、こんなにも物悲しい。

ヴィジュアル的にも、絶妙な斜線を描く縦のラインが
個人の危うさを感じさせ、視覚効果も抜群。

酸いも甘いもかみ分けた、大人のニュアンスたっぷりの一字と言えるでしょう。

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